ねうねう vol.3 感想
収益が全額保護猫活動に役立てられる猫づくしの俳句アンソロジー誌「ねうねう」の vol.3 に参加しました。
vol.1、vol.2 に続き、vol.3 でも尽きることのない猫句の数々に、俳人の目と猫の魅力の奥深さを思いました。
自爆する直前仔猫撫でていし / 堀田季何
仔猫の感触とそのあとの瞬間が俳句の短さとともにそのまま胸に突き刺さって来るようでした。
恋猫のこゑ短調に変はりけり / 金子敦
春先の猫の声が短調になる瞬間、たしかにある気がします。フラットがたくさんついていそうな、再現の難しい色合いの声。
年末の掃除をするときに気づく、足跡や、寝ていた跡の気配…けものみち、という短い語に猫の持つ付かず離れずな距離が見える気がします。
餌の山を明日別るる猫の仔に / 家登みろく
保護猫を里親さんに渡す前の日の光景でしょうか。山になった餌、に不安と祈りの入り混じった思いを感じます。
猫の子のちょうど餃子のやわらかさ / 近江文代
そ、そうなのか…わたしは猫の子に触れたことがありませんが、餃子を包むときに思い出してしまいそうな説得力がありました。
アフロヘアの青年仔猫抱き上ぐる / 弓雄
仔猫を抱き上げる動作が優しいと、三割増しぐらいでいい人に見える気がします。この青年もきっといい人なのではないでしょうか。
などなど、紹介しきれないほど、素敵な俳句(川柳も!)がたくさんありました。
ねうねう vol.3 はもうしばらくすると amazon での取り扱いが始まる予定です。俳句に馴染みのない方のためにふりがながふってあるなど、とても読みやすい構成になっていますので、ぜひお手にとってみてください。