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とらぬた vol.15 「粉」 感想

いつもわくわく出しにゆくチコとトレースさんのネプリ「とらぬたぬきうどんでおなかを膨らます唯一の方法 vol.15」#とらぬたを読みました。

 

寝る前にメガネをはずす 夜の夢にひるまの夢は連れてゆけない(しま・しましま @simashima9)「そして公爵はゆううつそうに粉を振って部屋を出てゆく」

 

なんとなく、ふつうの人とは違う時間軸…たとえば寿命がとても長いとか、もう死んでしまっているとか…で暮らしている人がこの世界のどこかでつぶやいてるような短歌だなあ、と思った連作でした。ものがなしさと、仄かな可愛らしさに、なにがあったのだろう…と話を聞いてみたくなります。

 

啼き終えたあと空中に跡形もなく消え去ってゆく鳥の歌(雀來豆 @jacksbeans2)「木粉粘土の鳥たち」

 

鳥の歌それじたいがひとつの存在で、そしてその存在ごと消えてゆく…という主題がとても好きな歌でした。かたちのある鳥、から、そこにはいない鳥、まで、いろいろな鳥の書き留められている連作に(鳥が好きなので)、ずっとひたっていたくなりました。

 

今号もくりかえし読みました。楽しかったです!